【特集】 Pixel Art Park 2 レポート

  • 2015.10.30

2015年10月18日に3331 Arts Chiyodaにて開催された“ドット絵好きによるドット絵のイベント” Pixel Art Park 2
前回に比べて参加アーティスト数も倍以上になり、よりパワーアップした内容となったこのイベント。
本記事ではその様子をレポートするぞ。

 
まず全体の印象としては、人が多い!ということ。
オープンするやいなやすべてのブースに人垣ができる状態。オープン前には広く見えた空間も人で埋め尽くされてすごい密度に。

 
次に今回印象的だったのは、途中にYMCKの映像上映コーナーや、チップチューンアーティスト達のミニライブなどが入り、よりイベント感が強まったという点。
前回もさまざまな “遊べる” 展示が用意されており、単なる展示会以上の内容であったが、今回は常にリアルタイムで何かが起こっているという雰囲気があり、いつまでもその場にいたい気持ちにさせられた。

 
少々残念だったのは、来場者が予想以上に多かったため、途中から入場規制をすることになってしまったという点。中には待機列を見てあきらめてしまった人もいるようだった。それだけ注目度が高かったということでもあるので、次回はぜひもっと広い会場での開催を期待したい。

 
以下では、出展やライブについてそれぞれレポートしていこう。

アート展示

TECO
前回の展示で目を引いた巨大コントローラーは今回も健在!10人同時プレイゲームは今回もずっと人だかり。カメラ画像をドット化する仕掛けも用意されていて、技術を使ったドット絵アートを楽しむことができた。

ものり
ドット絵を使った各種アクセサリーなどかわいいグッズがいろいろ。ドット絵そのものの可愛さに加え、アクリルを貼って立体感を出したり、小さいケースに収めて箱庭っぽく見せたりと、アイテム全体としての可愛さもいっしょに作っているのが素敵だ。

YMCK
自ら開発したiPad用ゲームを展示していたほか、メンバーNakamuraが自らドット似顔絵を書くコーナーも。さらに、正面プロジェクターでは彼らのライブで使用したオープニング映像のヒストリーを上映するなど盛りだくさんの内容だった。

furukawa
前回・今回とフライヤーの絵を担当したfurukawa氏。フライヤーのドット絵アートのほか、その他の作品も粗いドットと繊細な色使いの組み合わせが特徴的で、独特な世界観を醸していた。

どんつく(補、)
とにかく緻密!どの作品も思わず「これ描くのにどれくらい時間かかるんだ・・・」と唸ってしまうほど。少ないピクセル数でどこまで表現するかというのもドット絵の面白さだが、逆に同じ方法でどこまで緻密にできるか、という面白さを再認識させてくれた。

m7kenji
天井から一面のモノクロの垂れ幕でクールな存在感を放っていたこのブース。プログラミングもこなす彼自身が制作した最新ゲームを展示していた。ドット絵の表現は低解像度かつモノクロとミニマリスティックなものだが、この制限の中で独自のカラーを出しているのがすばらしい。

小野 Mr.Dotman 浩
数々の名作ゲームのドット絵を手がけてきた同氏の今回の展示では、「一点入魂」をスローガンに少ないピクセルで古今東西の名画を再現。風景画なども普通のキャラクターなどと同程度のドット数に収めてしまうなどは、まさに職人芸。ほかにも「クロスステッチ風」に加工したドット絵などお茶目な作品も。

alnyan
スーパーファミコンを髣髴とさせるドット感で、ソフトでやさしいドット絵を各種展示していた。
ドット化の技に圧倒されるような作品とは好対照で、ドット絵というものの表現の広さを感じさせてくれた。

cocopon
大きなスクリーンとiPadで、寿司が動くアニメーションや、寿司を作るゲームを展示。四角くデフォルメされた寿司のドット絵が並ぶ絵柄は、カラフルで思わず見入ってしまう。
たくさんの寿司が動くアニメーションは、録画済みアニメーションでなく、Webブラウザでリアルタイムで動かしているとのことで、技術的にも興味深い部分が多かった。

ヌン
アイロンビーズをメインとした展示だが、特に目を引いたのが立体に組み立てられたアイロンビーズ作品。リアルに曲線がついた伊勢海老のアイロンビーズはインパクト大!しかも可動部分もしっかり作られているなど、既存のドット絵アートの枠を突破してしまうような痛快さが感じられた。
実際に作品を作れるワークショップのコーナーも人気で常に満席だった。

zerotaro
今回物理的に一番の存在感を放っていた「ドット絵彫刻」。
大きさに加え、各ドットにLEDが埋め込まれていてさまざまな色に光っており、会場の雰囲気をひときわ華やかにしていたようだ。
各LED好きな組み合わせで表示できるとのことで、ディスプレイのようでもあるが、彫刻としての「形」も持っており、画面と彫刻が合わさった新しい “何か” を感じさせた。

kiku knit
編み物で描かれたドット絵を多数展示。
デジタルで無機質なはずのドット絵が、やわらかくて可愛い編み物でも表現できるというのはちょっと新鮮な体験だ。

pixelarium
こちらは刺繍でのドット絵。編み物とはまた違った繊細な風合いが面白い。小さくて可愛い作品がメインで、どれもさりげなく身につけたくなるものだった。

しゃんぶるだんふぁん
アイロンビーズをアクセサリー化したものを制作。こちらもさりげなく身につけたくなる可愛い仕上がりのものばかりだった。

また、今回はYMCKが多くの出展アーティストとコラボ、YMCKのキャラクターをモチーフにした作品を展示していた。

ミニライブ

ミニライブも個性の違った3組が登場、多くの来場者が見入っていた。

コスモワークス
チップチューン+アシッドテクノをテーマに、チップチューンのトラックにアナログシンセを加えたパフォーマンスを披露。途中アコーディオンを加えた曲などもあり、バラエティ感のあるライブとなっていた。

kyoheifujita
普段から雰囲気のあるアンビエントなチップチューンを得意とするkyoheifujita。今回もチップサウンドに加えノイズや各種生楽器の音などを組み合わせて、叙情的な音楽を展開していた。

谷本早也歌
アルバムをリリースしてライブも数多くこなしている彼女は、歌ものを中心にエンターテイメントに徹したライブを披露。まだ始めたばかりとは思えない堂々としたパフォーマンスで、誰もが楽しめるライブとなっていたようだ。

予想を越えた大盛況だった今回のPixel Art Park。
次回はどんなテーマパークとなるのか、今から楽しみだ。

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